2020年12月9日水曜日

初雪の便り

今年の年末、妹のいるザルツブルグへ行くことは叶いそうにありません。さて、いつになったら海外との往来が再開するのか。寂しい限りです。ザルツブルグから初雪の便りが届きました。そこそこのロックダウンとなっているオーストリア。学校はそのまま。閉鎖なし。飲食店や劇場は閉鎖中。屋外でなら少人数の友人と遊べるそうです。雪になると子どもたちの賑やかな声が聞こえるそうです。一日の感染者数は東京都とザルツブルグ州の人数が同じくらい。そもそも人口を考えるとヨーロッパの厳しい状況がわかります。 

妹の家のベランダから…寒そう


2020年11月7日土曜日

秋の愉しみ

 久しぶりに深大寺と神代植物園に行きました。秋の素晴らしい陽気に誘われて。我が家からだと1時間もかかりません。平日というのに結構な人出でした。門前の老舗、嶋田家さんで新そばを堪能しました。蕎麦の風味は良いですね。もちろん昼から深大寺ビール。昼飲みはたまりません。植物園では、バラ園が美しく、コスモスも盛りでした。一日、たくさん歩きました。

創業は江戸時代!


昼飲み後の散歩




花もまた良し

2020年10月17日土曜日

新宿オペレッタ劇場

コロナの影響で音楽、舞台の活動は制限されています。いつかは元のようにと願いつつ、人が多く関わるオペラ制作は一番難しいのではと思います。ガレリア座の再開は今しばらくですが、私は仕事の方でオペレッタの舞台制作を始めます。来年1月の新宿オペレッタ劇場。オペレッタ・ニューイヤーコンサートと名付けてみました。名曲も無名曲も取り混ぜてのガラコンサート。会場の制限でいつもの半分の客席です。チームとして成熟する一方、新しいメンバーを入れて刺激を受けながら、お客様にご満足いただけるよう努めてまいります。チケットの発売は始まっています。


新宿オペレッタ劇場27

2020年6月7日日曜日

武蔵野の鳥の声に癒される


夜が明ける時間が少しずつ早くなっています。午前4時くらいになると空が白み始めます。家の裏手には栗林があり、鳥たちの鳴き声が聞こえてきます。今年は鶯、カッコウまで聞こえます。どれだけ田舎なんだ!と可笑しくなってしまうほど。でも姿を見ることはありません。まるで魔法のように、木々の向こう側から。谷渡りなど披露してくれると、思わず拍手です。朝、薫り高いコーヒーを飲みながら癒されています。
自室の窓から

2020年5月16日土曜日

きよしこの夜


今頃どうしてクリスマス?と笑われそうです。連休に外出できなかったのを良いことに身の回りの整理をしました。整理って、始めるとこれが作業膨大でなかなか終わらない。このところCD紹介に終始しているのもそのため。整理しているうちに懐かしいCDに出くわすのです。ザルツブルク近郊にオーベンドルフという小さな町があります。ここが有名なのは、「きよしこの夜」が生まれた場所だから。地区教会だったニコラウス教会の若き神父ヨセフ・モールが1818年のクリスマスのミサのためにと詞を書き、友人の音楽教師フランツ・クサヴァー・グルーバーが作曲したのが「きよしこの夜」でした。ニコラウス教会の跡地には現在、小さなチャペルが建てられています。小さな博物館のなかのお土産CDがこれです。演奏はオーベンドルフ・リーダーターフェル合奏団と合唱団。つまりは町の音楽隊です。とても良いです。温かい気持ちになります。幸せの尺度はそれぞれ。今年のクリスマスに再訪できるといいな。
ほっこりします

現在の小さなチャペル

小さな祈り

2020年5月14日木曜日

祈りのロッシーニ


大学時代、友人に誘われて、とあるアマチュアの合唱団に参加しました。そこで出会った曲がロッシーニ作曲の「小荘厳ミサ曲」(petit messe solenelle)でした。オペラで成功を収め、44歳にして作曲家を引退したロッシーニは、余生に僅かなピアノ曲や宗教曲を残しています。その人生の最晩年に作曲された「小荘厳ミサ曲」は、2台のピアノとハルモニウム伴奏による室内楽的作品として書かれ、のちに管弦楽にも編曲されました。ロッシーニらしいオペラティックさも具えながら敬虔な祈りに満ちています。ご紹介するのは管弦楽版。アントニオ・パッパーノ指揮、聖チェチーリア音楽院管弦楽団と合唱団による演奏です。特筆したいのは終局のアニュス・デイ。ロッシーニが終生愛した声種メゾ・ソプラノの独唱と合唱による深い祈りです。パッパーノは全曲を速めのテンポで押しながら、このアニュス・デイに来ると、ぐっとテンポを落とします。壮大な伽藍を埋めつくす真摯な音楽。管弦楽版だと宗教的色彩よりオペラっぽさが勝ってしまう演奏が多いなか、パッパーノの音楽への愛情と深い理解が心に届く名演です。
ロッシーニ最晩年の祈り

2020年5月13日水曜日

LPレコードをかけてみる


私がクラシックのレコード収集を本格化させた小学生高学年の頃は、まだLPレコードの時代でした。新しい録音だと2,500円前後。とても小学生には手が出ないので、1,000円から1,500円程度の廉価版がコレクションの主流でした。中古屋に出入りするようになったのは中学生だったか、高校生だったか。最近は、一周回ってLPの良さが認識され、ごく一部ではあるものの新しくプレスされる盤もありますが、時代の主流はストリーミング。あの大きなLP盤が主役に返り咲くことはないのです。良かったなあ。あの大きな紙のジャケット。〝ジャケ買い〟なんて言葉もあったくらいで、私もそういう衝動買いをしました。そんな〝ジャケ買い〟の1枚が、ベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ。有名な5番「春」と9番「クロイツェル」のカップリング。当時、あまり室内楽には興味がなかったのですが、スプリング・ソナタの鮮烈で豊潤な音に私は魅了されました。ジノ・フランチェスカッティのヴァイオリン、ロベール・カサドシュのピアノ。フランチェスカッティの演奏は、ティボー門下らしいエレガントさと、ヴァイオリニストだったイタリア人の父親譲りの歌ごころに溢れています。その演奏がジャケットの写真と、じつによくマッチしていて、何度もこのレコードを取り出して聞きました。今年の連休、外出控えのなか、久しぶりにLPでも聞こうかなと思ったときも、やはりこのレコードを手に取りました。慎重に黒い盤の端を持って、指紋がつかないように大切に、大切に。スタビライザーを乗せて、そっと針を落とす。ごそごそという針音の後に、あの瑞々しいヴァイオリンが!いいですよ、LPレコード。音楽とドキドキしながら向かい合っていた頃の気持ちが蘇りました。
みずみずしい音色です