私が公私ともにライフワークとして取り組んでいるのがオペレッタ作品の紹介です。もちろん「こうもり」や「メリー・ウィドウ」が素晴らしい作品であることは言うまでもありません。ですが、そればかりというのでは味気ない。シュトラウスでもレハールでも、知られていない作品はたくさんあります。そして、有名ではないオペレッタの作曲家たちもまだまだ。それを発掘して陽の目を見せるのが目下の私の楽しみであります。テノールの近藤政伸さんが、そんな私を「発掘ばかりやってる。」と評してくださいました。皮肉の方が強かったのかもしれませんが、私には純粋な誉め言葉にしか聞こえませんでした。知らない曲を聴く歓び。このCDはイスラエルの作曲家によるピアノ作品集です。20世紀の作曲家が5人取り上げられています。ヨアヒム・ストゥチェフスキ、セルジュ・ナトゥラ、ツヴィ・アヴニ、エデン・パルトス、モルデカイ・セター。まったく知りません。5人をまとめて評する危険はあるものの、総じて言えるのは作品を覆う静謐感と、西洋的でも東洋的でもない不可思議な浮遊感でしょうか。ピアノ作品だからかもしれません。演奏は、ヴァイオリニストとピアニスト、二足の草鞋をはくコーリャ・レッシング。演奏家であり、教育者である彼のもう一つの顔が、知られざる音楽の紹介者。博物館を訪れる気分で、ぜひ一聴を。
発掘は楽し |
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