2018年6月4日月曜日

こうもり終えて


今回の公演がたいへんなことはわかっていました。文化の異なる団体が、がっぷり四つに組んで作品を作ることの難しさ。刺激を受けるにせよ、苦労するにせよ、ぬるま湯のように舞台を作るよりは。そして、私たちの手法が間違っていなかったかを検証する意味でも。

ガレリア座は通常の公演で、舞台を三日、押さえます。仕込みとリハーサルと本番と。でも今回は、本番前日の夜、4時間だけの仕込み。そして本番日の朝からリハーサル。直しをする暇はなく、続けざまに本番に突入しました。この無謀なスケジュールに私たちは敢然と挑み、そして確かな成果を残しました。これは、ガレリア座が20年以上かけて培ったノウハウと人材と人脈による勝利です。この場を借りて、座員のみなさん、スタッフのみなさんに御礼です。私の酷い決断についてきてくれてありがとう。

今回ご一緒した日本ヨハン・シュトラウス協会管弦楽団の方々には、稽古中の私の言動が相当きつかったと思います。「あの人、怖い」って、聞こえてました。そう感じられたはずです。ガレリア座ではいつものことですけどね。座員に言わせれば、八木原、ずいぶん我慢したって。でも、最後、本番直前には、オケにも、プレイヤー名指しで怒鳴りました。私の大好きな音楽を、舞台を、妥協したまま、腹に収めたまま本番に臨むことはどうしてもできなかった。だから、今回は演出家としてのポジションには、あまり立てませんでした。正直、詰め切れなかった。お客様、ごめんなさい。水準に持っていくために、プロデューサーとしての立場に必死でした。

正直、きつかった。それでも異文化交流は楽しい。打上げで、シュトラウス管の人の素顔や、思いを知ることができました。アマチュア音楽家の先輩たちの後ろ姿を追いかけていきます。指揮者の鷲見先生の情熱にも頭が下がりました。まだまだ私も若僧。やることは沢山ありそうです。
さあ、次は「小鳥売り」。黄金期のオペレッタを続けて上演できる幸せに浸ります!
「こうもり」から「小鳥売り」へ

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