2020年4月16日木曜日

視覚に訴える音楽


映像や照明を伴わないクラシック音楽のコンサートにとって(最近、プロジェクション・マッピングを使うコンサートもありますが)、視覚的効果はあるのでしょうか。私は確実に言えます。「ある」のです。最初の体験は「第九」でした。第4楽章。例のバリトンソロの始まる直前。オーケストラの強奏とともに立ち上がるバリトンと合唱団。全身にぞわっという感覚が走りました。緊張と高揚感。カッコイイ!これがコンサートの視覚的効果。わかりますよね。指揮者の目線やタクトの一閃もこれと同じ。だからこそ、音を度外視してもサントリーホールのP席が売れるのです。最近買ったCDに、ベルリオーズの「レクイエム」があります。ジョン・ネルソン指揮フィルハーモニア管弦楽団の演奏で、ベルリオーズ没後150年の命日にロンドンのセント・ポール大聖堂で行われたライブ映像がおまけDVDとしてついていました。CDに付録としてDVDを付ける神経がわからん。映像を見るのを後回しにしていたのですが、コロナウィルスのせいですっかり暇を持て余し、このおまけを見ることにしたのです。おお!視覚に訴える音楽。このおまけが凄かった。馬鹿にしてすみません。広大な大聖堂の中心に陣取る巨大なオーケストラ。二つの合唱団の前に横一列に並ぶ圧巻のティンパニ奏者10人。そして客席後方に4組のバンダ。ベルリオーズの狂気の音楽に、音響の伽藍と化した大聖堂がネルソンのタクトのもと揺れ、鳴り、響くのです。カッコイイ!見る音楽。ぜひお試しください。

視覚も満足



0 件のコメント:

コメントを投稿