2020年4月18日土曜日

アップルパイ


私の好物です。幼い頃、洋菓子店に今ほどケーキの種類がありませんでした。いわば、ショートケーキ、モンブランとアップルパイが勢力図のすべて。子どもには、モンブランの良さはわかりませんから、ショートケーキとアップルパイが二大勢力。でも、近所の洋菓子店の生クリームと相性の悪かった少年の私は、アップルパイに軍配を挙げていました。ほぼ一択。オーストリアに行っても、チョコレートのザッハトルテよりは、エステルハージ・トルテか、アップフェル・シュトゥルーデル(つまりアップルパイ)を好んで食べます。生クリームをたっぷり添えているのが日本との違いです。さて、そのアップルパイ。先日、母の誕生日にリクエストがあり、近所にできたパン屋さんのアップルパイをカットしない状態で注文しました。ここのは丸型ではなく、棒状のパイ。生地がサクサクとして、リンゴが素晴らしく甘酸っぱい。好きなだけの大きさに切り分けて美味しく頂きました。
美味しかった!

2020年4月16日木曜日

視覚に訴える音楽


映像や照明を伴わないクラシック音楽のコンサートにとって(最近、プロジェクション・マッピングを使うコンサートもありますが)、視覚的効果はあるのでしょうか。私は確実に言えます。「ある」のです。最初の体験は「第九」でした。第4楽章。例のバリトンソロの始まる直前。オーケストラの強奏とともに立ち上がるバリトンと合唱団。全身にぞわっという感覚が走りました。緊張と高揚感。カッコイイ!これがコンサートの視覚的効果。わかりますよね。指揮者の目線やタクトの一閃もこれと同じ。だからこそ、音を度外視してもサントリーホールのP席が売れるのです。最近買ったCDに、ベルリオーズの「レクイエム」があります。ジョン・ネルソン指揮フィルハーモニア管弦楽団の演奏で、ベルリオーズ没後150年の命日にロンドンのセント・ポール大聖堂で行われたライブ映像がおまけDVDとしてついていました。CDに付録としてDVDを付ける神経がわからん。映像を見るのを後回しにしていたのですが、コロナウィルスのせいですっかり暇を持て余し、このおまけを見ることにしたのです。おお!視覚に訴える音楽。このおまけが凄かった。馬鹿にしてすみません。広大な大聖堂の中心に陣取る巨大なオーケストラ。二つの合唱団の前に横一列に並ぶ圧巻のティンパニ奏者10人。そして客席後方に4組のバンダ。ベルリオーズの狂気の音楽に、音響の伽藍と化した大聖堂がネルソンのタクトのもと揺れ、鳴り、響くのです。カッコイイ!見る音楽。ぜひお試しください。

視覚も満足



2020年4月12日日曜日

ワルターの運力


運力、“うんりき”と読みます。ヴェルディの歌劇「運命の力」を略して“うんりき”。我らガレリア座も2010年の第23回公演で取り上げたヴェルディ中期の傑作です。CDも映像も数多く残されています。そのなかで私のお気に入りが、ブルーノ・ワルター指揮のメトロポリタン歌劇場、1943年の実況録音です。昔のメトは、今とは比べ物にならないほど、大物指揮者がこぞってタクトを振り、素晴らしい音楽が鳴り響いていたようです。ワルターといえばモーツァルト、あるいはベートーヴェンの「田園」のように、どちらかといえば微温的な作品のイメージが一般ですが、この“うんりき”を聴けば、録音や人物イメージがいかにあやふやなものか分かります。序曲からとにかくすごい。直線的、男性的、テンポに一切の妥協を許さず、トスカニーニをも凌ぐ切れ感、そして終盤にかけてのドライブ感は半端ではありません。この序曲だけで、何回、聴き直したことか。今、手に入るのでしょうか。わかりませんが、もし、運よく手に入るのであれば、一聴されることをお勧めします。
聞いてみなけりゃわからない

2020年3月31日火曜日

ザルツブルクからの


私の妹はザルツブルクに住んでいます。彼女の勤める市内の劇場は閉鎖。甥っ子の学校も休校ということで、ほぼ毎日、定期便のスカイプ会話が日課になりました。ヨーロッパのウィルス禍の最初の犠牲となったイタリア北部と国境を接するオーストリア。妹からは、かなり早い時点で、オーストリア国鉄OBBがイタリアとの乗り入れを今日止めたらしいとか情報が私の耳に入っていました。オーストリアはイタリアと国境を接しているにしては耐えている方だと思います。でも、オーストリアにはマスクをする習慣がない、というより、マスクをすると覆面禁止法なる法律で捕まってしまう国であることに、妹は呆れていました。手を洗う習慣がないことは、甥っ子や妹の旦那を見ていればわかります。昨年、バルセロナを訪ねたときも、現地の方が普段使いするレストランは、テーブルを丁寧に拭きません。日常的な衛生の感覚が日本とは違うのでしょう。そこは結構大きいように思います。昨日、妹から、そのザルツブルクで、買い物に出るときマスクをつけることが義務付けられたと聞きました。マスクを笑っていたあの人たちが!でも、マスクなんて日常に売ってないでしょう?と訊いたところ、どうもスーパーの前で配ってくれるという話だとか。妹は半信半疑でしたけれど、本当にそうなるのかしら。東京では、ティッシュペーパーやトイレロールは普通に戻ってきましたが、マスクだけは以前、品薄が続いています。感染を防ぐ効果は薄いということですが、気持ちの問題として、していたい。あるいは自分が無症状で他人にうつしてはいけないという思いが、これだけのマスクを必要としています。必要な人に必要な分だけ。そう願うばかりです。

ザルツブルクからウンタースベルクをのぞむ

自粛要請の出た日曜夜の新宿駅東口

2020年3月30日月曜日

終雪


「しゅうせつ」と読みます。その冬、最後の雪のこと。「初雪」の反対です。あまり使われないですね。気候変動の影響で、桜の開花や満開はどんどん早くなります。3月満開の桜が雪に震えた東京。これが2020年の終雪になるのでしょうか。新型ウィルスの外出自粛と、この雪のせいで、人影のない新宿・花園神社。静けさと華やかさが心に響きます。昨夜はオーストリアの甥っ子とスカイプで話しました。仕事仲間のギリシャ人演出家からは励ましメールが来ました。ボストンに住む訳詞家ともメールで次の舞台の話をしました。繋がっていることの大切さを感じます。頑張りどころです。
花園神社 昼過ぎには雪はなく…

2020年3月26日木曜日

美酒礼賛


晩酌の癖はないのですが、酒は好きです。胃の手術から1年は医者との約束を守り、断酒をしました。我ながらよく我慢できたと思います。その後は徐々にリハビリを重ね、今では酒量に関しては手術前の状態に回復しました。望むと望まざるとにかかわらずですが(笑)。若い時からずっとお世話になっている西麻布のフレンチで、先日、おいしいワインを出していただきました。82年ボルドー。素晴らしい年です。シャトー・レオヴィル・ラスカーズ。サンジュリアン村、レオヴィル3兄弟の筆頭です。ボルドー五大シャトーの一つラトゥールに隣接し、五大シャトーに迫るクオリティの銘醸。90年代以降は何度か飲んだことがありましたが、82の登場は嬉しかったです。ちょうど最後のトリュフと、出たばかりのアスペルジュと一緒に。上品な酸味、気品のある複合薫。味わいと語らいのうちに時間を忘れて楽しみました。酒も人も一期一会です。


’82を愉しむ

2020年3月8日日曜日

小江戸散策


まだ桜には早いけれど、鰻が食べたくなり小江戸川越へ出かけました。我が家からは西武線で本当に僅かな時間で行ける小旅行です。さすがに新型ウィルスのせいで、いつもよりはずっと閑散とした川越でした。川越熊野神社にお参りをしてから、大正浪漫夢通りの中ほど、いつもなら何時間も待つ名店小川菊が待ち時間なし!ご飯少なめにしていただいて、美味しくいただきました。世の中が自粛ムードだと、どうしても逆らいたくなるのが私の性格。連日、どこかへ出かけご飯や酒を楽しんでいます。飲食店も苦しんでいます。菓子屋横丁にあるお漬物屋さんのご主人が「どうぞ使ってください」とマスクをくださいました。何が正解なのかはわかりません。でも、気持ちだけは柔らかくいたいなと思うばかりです。
西武線に乗って

熊野神社にお参り

名店 小川菊

うなぎ大好き!

いつもは賑わう街並みもひっそり気味