2020年2月18日火曜日

本番を終えて


公演、無事、終了しました。ご来場いただきましたお客様、関係者の皆さま、本当にありがとうございました。私たちガレリア座の場合、通し稽古は公演前日にやります。本番当日の公演前は「小返し」といって、前日に上手くいかなかった箇所や、転換などテクニカル部分の調整に充てます。しかし、わがままな私は前日稽古の出来を見ながら、ふつふつと向上意欲が湧いてしまったのです。
もっとやりたい!とにかく良くしたい!本番日の小返しはそういう練習となりました。1幕フィナーレでミスターXとフェドーラが相対するシーン。メイン・カップルが気持ちを通じ合わせる大切なシーン。そう、私の大好きな「ばらの騎士」で、ゾフィーとオクタヴィアンのファースト・コンタクトのように、ここは台詞も歌もない。ただ、音楽だけが雄弁に語る。そうだ!ここは照明が二人だけに当たらなくてはいけないのだ!そこで、ああでもない、こうでもないと、あっちこっちのライトを照明さんに落としてもらって納得できるシーンに仕上げました。2幕フィナーレは、フェドーラがミスターXの裏切りを責め、ミスターXが自分は過去にフェドーラを愛した貴族であるその身分を明かすクライマックス。こここそ、我が一座オーケストラが劇伴の底力を見せなくてはなりません。スネアのひと叩き、ビオラの3拍目、フル・トゥッティのオケが楽譜に書かれたzurueckなる表記をどう演奏するか。オペラ、オペレッタが音楽劇である以上、その本質にこだわらなくて何のオペラ、オペレッタであるか。音楽、演出、照明、音響、舞台が一体となって表現する総合芸術を〝やる〟悦び。それを私は本番直前の小返しで堪能しました。そして本番はもちろんお客様のもの。お楽しみいただけましたでしょうか。

開演40分前の私の居場所は舞台下手

舞台監督席からの風景

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