2020年2月22日土曜日

サーカスの女王本番余話 その2


私たちガレリア座が心の底から誇れるもの。それは撤収の速さ、見事さです。音楽や芸術面でないのが残念ですが、到底アマチュアとは思えないこの迅速さは〝売り〟です。撤収への執念は仕込みの段階から始まっています。片付けを想像しながら仕込む。これです。使った道具はほったらかしにせず、元の場所に片づける。無駄に新しいテープを使わない。ごみを散らかさない。些細な気遣いの積み重ねが、撤収時のつけとして回ってこないのです。
本番に入ったら片付けへの執念は更に高まります。使い終えた小道具は、すぐに小道具の箱に収納します。衣装も然り。吊りバトンに吊ったパネルは飛ばさずに、そのまま幕間に撤去します。大道具も幕間には搬入口近くまで移動してしまいます。そうしていると、終幕には舞台袖に道具はもう何もないのです。素晴らしい!
終演後、客出しをしているうちに、オケのメンバーが総出で、リノリウムという舞台全面に敷いた巨大ゴム製カーペットを巻き、ジョゼット幕と呼ばれる白いレース幕を撤去してしまいます。搬入口にトラックが到着すると一斉に搬出作業が始まり、別動隊はオケピットの撤収に回るのです。今回、終演時刻1730分で、撤収完了はなんと19時。簡素な舞台とはいえ1時間半でオペラの舞台が片付くとは、ここだけはプロにも負けません。
「速い撤収、良い団体」 ガレリア座に刷り込まれた教えは、間違いなく国内オペラ団体の最高水準に達しています。満足、満足。

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